平成26年6月定例会  一般質問

  皆さん、こんにちは。清風クラブの姫野です。
 ことしも6月の半ばと、あっという間に前半が過ぎようとしています。ことしもエルニーニョを初めとした環境、影響が心配されます。今は梅雨時ですが、この後には猛暑日が続くような暑い夏がやってくるわけです。体温管理や脱水のサインを見逃しやすい御高齢の方にとっても、厳しいこの夏となりそうです。
 今回は、障害者の自立支援について、観光行政について、市民の交通移動手段についてお尋ねします。ちょっと動揺していて済みません。声が震えています。
 まず、障害者の自立支援について、果たして岩国市は、障害のある方々に対しお世話されている家族、介護者にとっても、暮らしやすい町でしょうか。
 昨日も5番議員の質問がありましたが、なかなか課題の多い岩国市というふうにも思っております。財政の厳しい中で最善を尽くしていると思っておられるかもしれませんが、まだまだこの歴史的な経過の中でも課題も残っているように痛感しております。
 今日は
1.障害者の自立支援について
お尋ねいたします。
 さまざまな障害を乗り越え、社会の一員としてかかわっていき、自立した生活に努力をしようとしている、施設へ通園しておられる方たちへの支援についてお尋ねします。
 議員になって間もなく、精神面に障害のある方たちの施設への通園について提言いたしました。取り上げていただき、通勤、通園のための定期券の購入などの支援もいただき、生き生きとして通園されている、出かけておられる姿を見て、大変うれしく思っておりました。

 しかし、合併以降は、旧市と旧町村の人的交流、移動もふえておりますが、この制度が旧市を想定したものであり、市の総合計画などにうたわれているもののように、全ての面でそうしたバリアを取り払う努力についてはまだまだ不足しているのではないでしょうか。
 通園の手立てについての対応はおくれたままです。玖珂や由宇、そして美和についても施設が多く、広くなった岩国の中で生き生きと通園、通所され、親亡き後についても自立した生活を目指す方々への支援は、社会資源、特に労働者の人口が減っていく今日、大変必要なことと思われます。
 昨日もありましたが、わずかな工賃の中で通所のために移動する交通費が負担が多く、旧市、旧町村の間での条件整備が必要なのではないでしょうか。意欲的に暮らす方々のためにもこのこうした施策についてお尋ねいたします。前向きな御答弁をお願いいたします。

 2、観光行政について
6月1日から鵜飼事業がスタートしました。午前中の神事に続き、夜は錦川の風情を景観にマッチした、欠かすことのできないこの大切な事業、観光資源を感じながらウ飼い船に乗らせていただきました。
 岩国市と鵜飼保存事業を観光協会とがともに行うこととなり、遊覧船は観光協会が行うものとなっております。
 先ごろ乗船してみて、鵜飼事業が活性化するために提言をさせていただきたいと思いました。5月には、経済常任委員会のほうで関市のほうに鵜飼事業を視察されたようですが、ここでは5月11日から10月15日までの約5カ月間運用されているようなということでした。3か月間、岩国では6月1日から9月半ばまでと制約され、最近のこの気象状況に影響が大きく、錦城橋上にある鳴子岩の水位の高さでウ飼いを行うかどうか判断されるともお聞きしました。せっかく岩国にお泊りいただくなどウ飼いを楽しみに訪れられても、今日の大雨、豪雨などではなかなか実施できない、せっかく来たのに残念だ、という観光客の方もあり、キャンセルなども多いのではないでしょうか。
 そんな中、岩国のウ飼いで気になるものに、先日お客さんからも話されましたが、お弁当や飲み物を補給し乗り込んだものの足りなくなった、もっと欲しいなと思うときに船が寄ってきて販売して補充してくれる日田の遊覧船のようなおもてなしのサービスはできないものか。
 また私自身も感じるのは、御高齢化の進む中、足や膝などお足元の悪い方があの砂利道を歩き乗船をするには大変難しい問題もあると思います。家族や友人とともに楽しい時間を、思い出をつくりたいというニーズもある中、そうした条件整備についても今日考えるべき時に来ているかと思います。このことについてお尋ねします。
 また、観光地のにぎわい事業についてお尋ねします。
 今はショウブ池が大変美しい姿を見せてくれています。四季折々の花の景観の楽しみな岩国です。こうした資源とともに、観光地には訪問される観光客について、いかに満足してお財布のひもを緩めていただき、ゆっくり過ごしていただけるかにかかっております。魅力が大きければリピーターもふえ、魅力がないと思えば、余り変わらないなと思えば、当然お客さんは減っていきます。岩国はいかがでしょうか。観光ボランティアさんが1年を通じ一生懸命に頑張って、錦帯橋のたもとでお客様の案内を待っておられます。お店や居心地のよい魅力のある観光地のために、にぎわい事業をもっと尽力いただきたいと願っております。お店の中も四季を通じて同じものがあり、壁面にも、お土産物を買う物が少ない、そういった意見も聞きます。
 また、先般からフェイスブックのアプリや、ツイッター、さまざまなものについても取り組まれるようにお伺いをしておりますが、その後のお取り組みはいかがでしょうか。

 3、桜の管理についてお尋ねします。
 最近、テレビなどのニュースで、老木などが突然倒れてきて車ごとけがをした――親子連れに倒れた、車で、子供がけがをした、などという報告が相次いでいます。
 先般もロープウエー乗り場におりましたら、ニュースの直後でしたのでシロヘビ公園の桜の老木の枝を一生懸命にチェーンソーなどで切り落としていただき、危険対策をしておられる姿を見かけました。
 また、先ごろは、横山地区の土手沿いの桜が突然倒れました。即座に対応し撤去されていたようでしたが、こうした横山の桜の並木には多くの桜があるかわりに、斜面に沿って植わったものも多く、事故についても今後については心配です。
 以前、桜の台帳を、作成事業というのを行ってこられたと記憶しておりますが、こういったものを利用し、桜の老齢化、枯れての倒木などの対策について、危機管理はどのようにされているでしょうか、お示しください。
 最後の質問、
3.市民の交通手段、移動手段について、最後にお伺いします。
 バスの運行改正により、時刻表を見て唖然としてしまいました。くるりんが路線バス化されたことにより、減便ということですが、以前のピーク時と比べ何とも時刻表に数便しか記してない。生活を保障していきたい、高齢化が進む中で、「これに乗らんと後にはバスがないんよ」と残念そうに話しておられる方もあり、どうしてここまで削り込んでしまったのかと残念に思う限りです。
 これから免許なし、年金なしと生活苦が厳しくなる方も増加することも予想され、利用者の増加に対策を十分に行うべきときに来ているのではないでしょうか。現状に逆行する運行ではないかと気になって仕方ありません。岩国市の交通に対する考え方と市民からの反応及びいわくにバスへの移行最終年となる方針についてお尋ねします。
 以上で、壇上からの質問を終わります。

 <答弁>
 福田市長
 姫野議員御質問の第2点目の観光施策についてお答えいたします。
 まず、(1)鵜飼事業の活性化についてでございますが、錦帯橋のウ飼いは、今から約400年前、吉川広嘉公が幼少のころに楽しんだとされており、本市における伝統文化として、また、貴重な観光資源として古くから実施されてきているところでございます。
 本年度から、岩国市観光協会の御理解と御協力のもと、ウ飼いの保存継承を行う鵜飼保存事業は、市が事業主体となり行い、ウ飼いのときなどに遊覧船を運航する遊覧船運航事業は、岩国市観光協会の独自事業として実施をしております。
 錦帯橋のウ飼いは、毎年6月1日から9月10日までの約3カ月間開催し、期間中は多くの観光客や市民の皆様に楽しんでいただいているところであります。
 しかしながら、近年の娯楽の多様化などによりウ飼い遊覧船への乗客者数は、減少傾向にあり、過去10年間で見ますと、平成16年の約6,000人をピークに、ここ5年間は5,000人前後で推移している状況でございます。
 議員御指摘の鵜飼事業がより活性化するためのサービスのうち、おもてなしの充実につきましては、本年度から遊覧船運航事業を継承した岩国市観光協会において、利用者からの御意見等に耳を傾けサービス向上を行っておられますが、新たな取り組みとしてウ飼い遊覧船スタッフに、おもてなし研修を行い、遊覧船乗船者に対する、さらなるおもてなしの充実を図っておられます。
 また、市民の皆様にもっと気軽に利用していただけるよう、昨年まで3,500円であった乗船料を今年から2,000円に引き下げるとともに、先月17日には、市と合同により、室の木町のショッピングモールにおいて、ウ飼い遊覧のPRイベントも実施をされております。
 さらに、6月1日のウ飼い開きに合わせ、花火の打ち上げや、伝統文化の継承の取り組みとして、市内の小学生以下の子供たちにウ飼いを学び親しんでいただくことを目的とした、親子ふれあい鵜飼舟を実施し、親子50組100名を無料で招待されるなど、積極的な取り組みをされております。
 今後、高齢者などが利用しやすい環境づくりにつきましても、関係機関と協議を行いながら検討してまいるとともに、岩国市観光協会と連携し、一人でも多くの方に岩国市の伝統文化である錦帯橋のウ飼いを楽しんでいただけるよう、ウ飼い遊覧船事業の活性化に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
 次に、(2)観光地のにぎわい事業についてでございますが、本市の代表的観光施設であります名勝錦帯橋におきましては、四季折々の花や風景、錦帯橋まつりを初めとする各種イベントの実施など、市民や観光客の皆様に楽しんでいただけるよう、魅力ある観光地の実現に向けて日々取り組んでいるところでございます。
 観光案内におきましても、観光ボランティアガイドの御協力により、おもてなしの心と丁寧な観光説明を行っております。
 また、地元企業や地域の団体において、気楽に立ち寄れる場所も幾つか設置されているところでございます。
 一方、観光客の滞在時間といたしましては、橋を渡る場合で約1時間、ロープウエーを利用し、岩国城まで観光される場合で約3時間と、短い滞在時間になっております。
 このように、錦帯橋周辺におきましては、議員御指摘のとおり、多くの観光客が通過型の観光として訪れている状況であり、長時間滞在に向けて錦帯橋周辺における空き店舗の活用や企業支援、交流の場の整備など観光客が楽しめて魅力ある施設を充実させることが必要であると考えております。
 そうした中、今年度におきましては、ソーシャルネットワークであるフェイスブックの運用の準備や、外国の方や若者など多様なニーズに応えるための、観光アプリの準備も進めているところでございます。
 今後におきましては、錦帯橋周辺が、観光客はもとより、市民の皆様にも気楽に立ち寄れ、ゆっくりと、また、優雅に楽しめる、魅力ある観光地になるよう努力をしてまいります。
 次に、(3)桜の管理についてでございますが、錦帯橋周辺の桜は、明治時代に植えられ、その後も市民の方々により植栽が続けられ、現在では多くの桜が春の錦帯橋を彩っており、日本有数の桜の名所となっております。
 しかしながら、樹齢が100年近いものも多く、枯れ枝や根が腐るなど衰弱した木も多く見受けられることから、樹木の見回りや枯れ枝の伐採、倒木防止用の支柱の設置、病害虫駆除など、危険性の把握、保全、対応に努めているところでございます。
 市といたしましては、今後におきましても、地元自治会や市民団体「錦帯橋さくら守の会」などとも連携をしながら、錦帯橋を訪れる皆様が、安心して楽しむことができる桜の名所として管理をしてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。

福岡俊博健康福祉部長  
第1点目の障害者の自立支援についての(1)通園支援についてお答えをいたします。
 障害のある方の就労意欲が着実に高まっている中で、より多くの就労を実現し、障害のある方が地域社会の中で生き生きと暮らせるようにするため、また、その生活の質を向上させるためには、活動の場、働く場が確保されることが重要です。
 障害者自立支援法の施行により、就労系サービスの強化が図られていますが、障害のある方の適性や能力に応じた就労に向けた訓練を身近な地域で受けることができるよう、就労系サービスの提供体制の整備と同時に通園しやすい環境が求められています。
 岩国市におきましては、他市に先駆けて平成14年度から、市内の就労系サービス施設に通園している方への通園費の一部助成制度として、岩国市心身障害者通園助成事業を実施しています。
 この事業は市内の就労移行支援事業所、就労継続支援事業所、生産活動を行い工賃を得ることのできる地域活動支援センターに通園されている方に対し、交通手段として利用される岩国市営バス、岩国市生活交通バス、いわくにバス株式会社の定期代の9割を助成するものです。
 過去3年間の利用者の実績は、23年度で43人、24年度で50人、25年度56人の増加傾向にあります。これについてですが、就労継続支援A型事業所が3施設ふえ利用者がふえたことなどによるものです。
 過去3年間の助成額の実績は、23年度229万1,830円、24年度237万1,610円、25年度216万5,390円となっています。
 御質問の通園支援ですが、議員御指摘のとおり、岩国市心身障害者通園助成事業では就労系サービス施設への通園を岩国市営バス、岩国市生活交通バス、いわくにバス株式会社に限定しているため、助成対象バス路線外に住まわれている通園者が、通園助成を受けられていないという問題が生じております。
 この点につきましては、岩国市障害者自立支援協議会においても御指摘があり、現在、通園助成の対象となる障害者の就労系サービス施設、障害者相談支援事業所、関係機関による就労サポート部会の中で、潜在的な利用者と通園のために必要となる交通手段の把握をしているところです。
 市といたしましては、一人でも多くの障害者の方が就労することの喜びを知り、それぞれ生きがいを持って社会にかかわっていくことができるよう、岩国市心身障害者通園助成事業の対象となる交通手段の拡大は必要であると考えております。
 今後、就労系サービス施設の利用者のニーズや交通手段を精査した上で、通園支援における地域間格差の是正に取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。


山近剛交通局長
  第3点目の市民の交通移動手段についての(1)バスの運行改定についてにお答えいたします。
 交通局及びいわくにバス株式会社では、本年4月1日からコミュニティ循環線、通称くるりんを廃止し、一般路線バスとして運行するなどの見直しに伴うダイヤ改正を行いました。
 議員御質問の旧コミュニティ循環線の運行回数は、これまでの循環ルートを岩国医療センターへの乗り入れ等に対応するため、往復ルートに見直したことにより運行系統がふえたこと。また、運行経路の状況から既存の車両で運行することとしたことから利用状況を勘案し、減便したものでございます。
 改正後、旧コミュニティ循環線の運行地域の一部から、便数が減った、時刻表に全部のバス停表示がないなどの御意見・御要望が寄せられております。
 こうしたことから、毎年実施しております乗降調査の利用状況等を勘案し、次回のダイヤ改正において、検討してまいりたいと考えております。
 また、交通局廃止後の対応につきましては、バスサービスの維持、確保を図るため、岩国市といわくにバス株式会社との間でバス運行について協定を締結するほか、運行状況の検証や市民や利用者の皆様からの御意見・御要望を踏まえた改善などについて協議検討していただく、新たな会議体を設置し、市民の意見を取り入れながら、進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

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