平成25年12月定例会  一般質問

 皆様、こんにちは。清風クラブの姫野敦子です。一年がたつのが本当に早く、気がつけばことしも残り20日となりました。環境も政治も社会の流れも厳しく、目まぐるしく、ともすれば情報に翻弄されて大切なことを見失いがちです。誰もが一生懸命に生きていると思いますが、心に余裕を持つ環境が厳しくなってくると、自分が何をしているのかさえわからなくなってしまうような危うさも感ずるきょうこのごろです。
 環境破壊も加速する中、便利な生活を享受する、その陰の部分についても関心を高め、考える必要があるのではないでしょうか。
 では、私も大きく深呼吸をして、気持ちを落ちつけてから一般質問に入らせていただきます。
 地元に空港ができて便利になり、東北も本当に近くなりました。この秋、清風クラブでは、青森県弘前市、秋田県の横手市を訪れ、健康マイレージ制度や健康の駅、まちづくりのための地域づくり協議会などの取り組みを研究視察してまいりました。
 1.健康マイレージ制度は検診率の低い弘前市で、がんの検診を受けてポイントをためていくと希望の商品が抽選で当たるという、大変ユニークな取り組みをしておられました。
 また、横手市の健康の駅は、9月定例会で提案しましたように健康を取り巻くさまざまな連携や取り組みがなされ、市民おのおのが健康づくりに取り組んでおられ大変感心しました。雪深く、かまくらで有名な土地柄もあり、家の中に閉じこもってしまいがちな長い冬、1年を通じて身近な場所で健康づくりに励むことができる環境を提供しておられ、その日も三つの自治体から視察がありました。
 一番関心したのは、横手市の地域づくり協議会とその取り組みの流れでしたので、参考に質問いたします。
 平成19年の合併を機に、行政運営の激変緩和、地域の声が行政に届かなくなるのではないかという地域住民の不安を解消することを目的に、地域自治区を導入し、地域協議会が旧8市町村に地域協議会を設置、地域の問題解決にハード事業と、地域の特色ある取り組みのソフト事業に、平成19年から1億円を配分。
 地域の個性と自主性が発揮され、豊かで幸せを感じる社会の実現を目指し、地域の力を育む機運も醸成し、みずからの地域とともに新市全体を見つめながら、市からの諮問事項にも審議して市長に答申、新市を元気にする事業が展開されていました。
 地域と行政の連携により市民参画と協働が進み、住民不安の解消につながっていったそうです。
 その後、平成22年に地域自治区が廃止される際にも、住民自治の直接行政に反映できる仕組みを残してほしいという声が強く、コミュニティーを守る役割からも、地域づくり協議会として、また元気の出る地域づくり事業として、みずから予算を練り上げ、みずから企画して立案をする2億円の予算がスタートしました。
 旧市は3,000万円、1町につき2,450万円、旧村においては2,350万円の割り当て。また、使い切れなかった金額については翌年、繰越金として80%を利用可能というふうな仕組みになっておりました。
 このように、さまざまな計画、施策についてともに意見、提案、市政に反映すること、こういった取り組みを聞くにつけ、岩国市も合併して同様な歴史を持ってはおりますが、歴史や暮らしぶりなど、地域の特性も違って当たり前、そんな中でお互いを認め合い、地域ごとに何を優先して暮らしたいのか、ソフト、ハードの計画を考え合って提出し実行する意識の高さについても驚かされました。ちょうど選挙中でしたが、協議会の中から立候補される方もかなりあり、議会と市民が近い、また意識の高いことを強く感じました。
 岩国市でも同様に、地域ささえ愛交付金事業を実施しています。先般もエレベーター乗り場の近くのロビーで、事業内容を紹介するコーナーを設置し、展示を行っておられましたが、市民の皆さんにも、もっともっと知っていただき、ぜひ広く市民に参画していただきたいと感じました。
 1.横手市の取り組みを参考にし、市としてどのようにお考えかお尋ねいたします。


 2、子宮頸がん予防ワクチンの接種について
 子宮頸がんとは、女性の子宮の頸部にできるがんのことで、子宮頸がんの発生にはヒトパピローマウイルス――HPVと呼ばれるウイルスがかかわっており、このウイルスは、子宮頸がんの患者さんの90%以上で見つかることが知られています。HPVが長期にわたり感染することでがんになると考えられ、HPVは一般に性行為を介して感染することが知られています。
 子宮頸がんの患者さんは、1年間に1万人から1万5,000人程度と報告されています。年齢的に見た患者さんの数は20代後半からふえていき、40代でおおむね横ばいとなります。しかし、最近では特に若い層、20代から39歳で患者さんがふえています。
 ここでは子宮頸がんワクチンとあえて言わせていただきますが、今までも多くの議員が質問に取り上げられ、公費による接種も行われています。
 厚生労働省のホームページは、痛みや意識を失うなどの副作用、副反応について、さまざまな情報提供が行われている状況がわかりましたが、リスクも多いようです。
 健康に過ごすための予防ワクチンの接種ですが、3回接種が約4万5,000円もかかるものが今なら無料だからと、そのリスクを全く知らず説明もなく接種したことによる重篤な副反応が起き、これまで頑張ってきたクラブ活動や部活動、健康を楽しんでいた若い女の子たちが、痛みや四肢のけいれんなど重篤な状況が起こり、日々の学校生活にも大きな影響が起こっていることを知りました。
 意識を消失、四肢の痛み、ギランバレー症候群や急性の散在性の脳脊髄炎など起っています。県内でも4症例の副反応症例が集計されていました。
 岩国ではまだ出ていないのかもしれませんが、先ごろ山口大学医学部附属病院の神経内科にも参りました。
 子宮頸がんワクチンについては、導入後間もないことから、がんそのものを予防する効果は現段階では証明されていない状況下での、接種もリスクも今十分理解する必要があると考えています。
 今回、質問に取り上げ、調べれば調べるほど、さまざまな疑問があることを感じています。
 6月にワクチン接種による積極的勧奨を控える国の勧告通知も行われ、いわゆる接種が自己責任であり、不安を感じている保護者も多いのではと思いますが、その反応と、市の対応についてお伺いします。
 最後に
3、市民の交通移動対策
についてお伺いします。
 高齢化や市民の移動手段の問題も多いことから、昨年12月議会では高台団地の高齢者対策について質問いたしました。
 その際、これからプロジェクトチームを立ち上げ調査検討されるとのことでした。その後の進捗状況についてお示しください。
 また、先ほど27番議員からも、くるりん廃止に関連して質問がありました。コミュニティ循環バスくるりんがスタートしたときに、ちょうど出発式に参加させていただいて以来、この事業の運用について見守ってまいりました。
 このたびの路線バス化など、市民の皆さんにとっても交通手段が減っていく、なくなってしまうといった不安も大きいことから、これまでにもっともっと具体的な取り組みを市民の皆さんにお示しし、車を持たない高齢化が進む状況下で移動のあり方を、市民が中心になって考えていくことを提言してまいりました。
 昨年の9月、交通局の分営化検討委員会が公募されたとありますが、応募がゼロであったと今回伺い、もっと周知が行われて参画できなかったものかと残念に感じました。
 今回、くるりんが廃止され路線バス化することにより、運賃の値上げにより、それでなくても収入は減っているのに、消費税や公共料金の値上げなど支出はふえるばかりと暮らしの課題も多く、利用者が減っていきますと、ますます運営が厳しくならないかなどと危惧しています。
 新年度末には交通局が、いわくにバスに完全移行するに当たっても、市からの予算が回らないとできない事業です。議会でも交通局長が、今はこうして議場に座っておられ、その移行についてチェック機能や改善の提言ができるわけですが、その後においてはこういったことも難しくなると考えています。
 これから移管するについての、市としてのお考えについてお示しいただけたらと存じます。
 以上で、壇上からの質問を終わります。


 <答弁>
 福田市長

 姫野議員御質問の、第1点目の合併後のまちづくり予算についての、(1)横手市の地域づくり協議会を参考にした方策について、お答えをいたします。
 秋田県横手市では、横手市地域づくり協議会の設置に関する条例を平成22年に施行され、住民主体による地域の特性を生かしたまちづくりを推進するとともに、地域の意見を市政に反映させ、地域が主体的にまちづくりに取り組むための機関として、市内8地域に地域づくり協議会を設置されました。
 この協議会が、各地域の活性化を図るために策定した、地域づくり計画に基づいた事業は、元気の出る地域づくり事業として予算確保され、推進していらっしゃるところでございます。
 一方、本市におきましては、横手市の地域づくり協議会の住民主体による地域の特性を生かしたまちづくりを推進するという点で、同様の事業と言える地域ささえ愛交付金事業を実施しています。
 地域ささえ愛交付金は、市内8地域に組織された、それぞれの地域ささえ愛協議会が作成する地域ささえ愛計画に基づいて取り組む支え合いと活気のある地域社会の形成に資する事業に対して交付されるものでございます。
 この事業は、平成22年度に事業開始した地域づくり支援事業のうち、地域におけるニーズと生活課題に対応するため、地域が主体となって取り組むソフト事業を想定して、平成24年度に事業を開始したものでございます。
 交付対象事業は、地域ささえ愛計画の策定のほか、地域振興、地域福祉、安心・安全、環境づくり、地域個性創出の各分野に該当するもので、地域ささえ愛計画に掲げられた地域の課題や問題を克服するための地域プランを、実施主体や実施期間などを定めて、地域主体で推進していくものでございます。
 事業開始初年度となった平成24年度は、市全体で地域振興分野が9件、地域福祉分野が4件、安心・安全分野が12件、環境づくり分野が5件、地域個性創出分野が14件、地域ささえ愛計画策定が2件の合計46件の事業が交付金を活用して実施をされました。
 これらの事業は、平成24年度地域ささえ愛交付金事業事例集として整理し、庁舎2階の市政情報コーナーや各総合支所に備えつけたほか、本市ホームページ内で紹介するとともに、9月には庁舎1階ロビーにおいて、各地域で実施された取り組みを紹介するためのパネル展示を実施したところでございます。
 今後さらに、地域ささえ愛協議会が相互に事業内容の向上を図ることができるよう、事業の周知方法の改善等に努めてまいりたいと考えております。
 地域の皆様方からは、この地域ささえ愛交付金事業に対しましては、高い評価をいただいているところではございますが、事業に取り組まれた協議会や地域の皆様方からの御意見等をお伺いしながら、よりよいものとなるよう努め、本市のまちづくりの基本理念の一つである、参加と協働による個性あるまちづくりを進めてまいりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。

 村岡一男地域医療担当部長
 第2点目の、子宮頸がん予防接種についての中の、(1)市としての考えとリスク管理についてをお答えします。
 子宮頸がん予防ワクチンは、子宮頸がん全体の50%から70%の原因とされる2種類のヒトパピローマウイルスに予防効果があるとされております。また、子宮頸がん予防ワクチンの有効性につきましては、子宮頸がんの約半数が子宮頸がん予防ワクチンにより予防できることが期待されており、世界保健機関であるWHOも接種を推奨し、多くの先進国では公的接種とされております。
 平成23年1月より、子宮頸がん予防ワクチンは、国のワクチン接種緊急促進事業により実施しておりましたが、平成25年4月から国が予防接種法による定期予防接種に位置づけたことから、本市におきましても、定期予防接種として実施しております。
 しかし、子宮頸がん予防ワクチンの接種後に、注射部位に限局しない痛み、しびれ及び脱力などがあらわれ、長時間持続する例が複数報告されたことなどから、国における専門部会の会議において、「ワクチンとの因果関係を否定できない持続的な疼痛が接種後に特異的に見られたことから、この副反応の発生頻度等がより明らかになり、国民に適切な情報提供ができるまでの間、定期接種を積極的に勧奨すべきでない」との提言がなされ、積極的な勧奨は当分の間差し控えることとされました。
 子宮頸がん予防ワクチンのリスクにつきましては、比較的軽度の副反応が一定の頻度で起こることが知られております。主な副反応といたしましては、接種部位の痛みや腫れと、注射の痛み、恐怖及び興奮などをきっかけとした失神があります。また、重い副反応の一例といたしましては、頻度としてはごくまれですが、呼吸困難やじんま疹などが起こるとされております。
 これまで、市において副反応が見られた報告はありませんが、保護者の方から子宮頸がん予防ワクチンのリスク、有効性及び接種間隔などについて、20人の方から相談を受けております。相談への対応といたしましては、厚生労働省の情報をもとに、ワクチンの有効性とリスクについて説明し、接種に当たっては主治医の先生とも相談されるようお伝えしております。
 本市といたしましては、積極的な接種勧奨を差し控えることにつきまして、小・中及び高等学校校長宛ての通知をするとともに、ホームページなどで現在、子宮頸がん予防ワクチンの接種を積極的にはお勧めしていないことや、接種に当たっては有効性とリスクを理解した上で、接種することをお知らせするなど、市民への周知を図っているところでございます。また、医療機関に対しましても、ワクチン接種の有効性及び安全性などについて接種対象者や保護者に対して十分説明し、理解された上で接種されるよう周知を図っております。
 今後におきましても、引き続き接種対象者や保護者の相談に応じるとともに、国の動向を注視し、新たな動きがあった場合には、市民や医療機関などへ速やかに情報提供を図ってまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。


 
山近剛交通局長
 第3点目の市民の交通対策についての中の、(2)くるりん廃止等、市民の利便性の低下と交通局廃止に向けての運営と改善のチェックについてお答えいたします。
 まず、くるりん廃止等による市民の利便性の低下について、コミュニティ循環バスの見直しの考え方についての御質問ですが、コミュニティ循環バスの運行につきましては、これまでも利用状況に応じ、業務の効率化、経費の節減に努めてまいりましたが営業状況は依然として厳しく、今後もバス事業者で継続して運行するため、見直すものでございます。
 このたびの見直しは、コミュニティ循環バスは廃止いたしますが、高齢者や障害者など市民の足を確保するため、新たに一般路線バスとして運行するもので、あわせて運賃を公平性の観点から他の路線と同じ形態に改めるものでございます。
 運賃をこれまでの100円均一から対キロ区間制運賃に改めますので、乗車キロに応じ、御指摘のように運賃は高くなりますが、見直し後の平均運賃は約160円と推計しております。
 交通局及びいわくにバス株式会社では、現在、全線乗り放題の格安定期券として、通学支援定期サンキューパス、優待定期乗車券シルバーパスの発売を行っておりますが、これらの乗車券については、消費税等の税率の引き上げに伴う運賃の転嫁は行わず、現行のまま据え置くことにしております。今回の見直しの周知にあわせて、こうした格安定期券の利用促進を図ってまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 次に、交通局廃止後のバス運行サービス等の維持、確保についての御質問ですが、交通局ではバス事業サービスを将来にわたり、市民に安定的に提供し続けられるよう、交通局の全額出資で設立した、いわくにバス株式会社へ平成22年度を初年度として5年を目標にバス路線を順次移管しているところでございます。
 また、今後の分営化を円滑に推進するため、昨年9月学識経験者、関係諸団体の代表者、バスの利用者等を委員とする岩国市交通局分営化検討委員会を設置し、今後の課題や取り組み等について御検討いただき、当委員会の御意見を踏まえ、本年7月交通局第2次集中改革プランを策定しております。
 本プランは、完全移管に向けた今後の取り組みをまとめたものでございますが、御懸念の交通局廃止後のバス事業サービスの維持、確保につきましては、いわくにバス株式会社との協定の締結、市の補助金の継続、バスサービスについて検証、協議を行う会議体の設置を計画しております。
 また、交通局廃止後において、バスの運行状況の確認や市民からの要望等が受けられるような体制は、行政としても必要であろうかと考えております。
 こうしたことから、今後の分営化の進捗状況を勘案しながら、適時、市長部局とも連携し、具体的に検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。


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