平成26年3月定例会  一般質問

  皆様、こんにちは。清風クラブの姫野敦子です。3月に入りましたが、まだまだ寒い日もあり、気の許せない毎日です。
 さて、御退職を前に、先日突然のお別れとなってしまった赤崎市民生活部長、いつも困ったような笑顔で気さくに話してくださっていたのにと、とても残念に思います。心より御冥福をお祈りいたします。
 また、本年度を最後に御退職されます職員の皆様には、日ごろの御労苦に敬意を表します。まだまだお若い皆様ですので、長年培われた知識や経験、能力をこれからもぜひ市民の皆様のために御尽力をお願いしたいと思っております。
 さて、きょうは3月11日──3・11、東日本大震災の日からちょうど3年目となります。この議場で第一報を受けたときには、また記者の方から石巻の町が壊滅状態と聞いたとき、とても信じられない思いがしました。3年たった今もまだまだ課題も多く、落ちついた生活再建にはほど遠い状況で、メルトダウンした福島の原子力発電所の電源喪失により、当時まき散らされた放射能汚染の除染もなかなか追いつかず、事故現場の大量の汚染水の処理、廃炉に向けてもままならず、スタッフの皆さんも不足するなど、大変な状況が続いています。被災された皆様が一日も早く安全かつ穏やかに暮らすことができるよう心よりお祈り申し上げます。また、決して忘れることなく尽力できることからしたいと思っております。
 長いようで4年間は早く、4期目の一般質問も今回を入れて3回を残すのみとなりました。市民の皆様の生活が少しでもよくなるようにと願いを持って、15年間一度も欠かさずに一般質問させていただきました。これまでを振り返りながら今回も質問をさせていただきます。
 今回は、PM2.5と市民の生活に直結する救急医療の受け入れなど、また休校・廃校の続く中、データの活用について質問いたします。

 まず、1.微小粒子状物質PM2.5の広報についてお尋ねします。
 地球環境の破壊が進む中、本年は山梨などから東北・関東方面にも大雪をもたらし、その被害や集落の孤立などが問題になりました。アメリカの中東部を初め、世界的な寒波、オセアニアなどの集中豪雨など、次々と報じられています。
 日中も太陽が見えないほどの中国の深刻な大気汚染により、高濃度のPM2.5が日本にも押し寄せており、先月には私も登録して初めて県より注意喚起メールが配信されました。
 この微小粒子状物質PM2.5の原因は、急激に増加した中国の車や粗悪なガソリンによる排気ガス、石炭や工場の排気物質などによるところが大きな原因と言われているようですが、その中国製品の多くを日本人が買い支えているのも事実です。
 こうした大量の汚染は、陸地のみならず、雨や雪、そして海にも少しずつ影響が出るのではないかと気になるところです。
 ところで、さきの注意喚起メールは、山口県の環境政策課からのもので、山口県PM2.5情報メール配信サービスです。その登録利用がもっと広がってほしいものですが、県のホームページ上のことでもあり、まだまだ市民の皆さんには知られていないように感じています。
 こうした情報もスマートフォンや携帯電話では簡単に受け取ることができますが、メールなどを利用されない方への情報提供や周知も課題になるかと思われます。
 季節もよくなり春がすみかな、黄砂だろうかと無防備に過ごしたり、呼吸器などの弱い方、高齢者、子供たちが知らずに長時間さらされることがないように、その影響も心配です。高濃度の飛散についても花粉情報と同様に、早目に適切な情報提供が欲しいところです。
 県のホームページでは、親しみやすいように県のマスコットキャラクターのちょるるを使い、県を四つに分け、基準値の日平均を35マイクログラム・パー・立方メートル以下というところで、青は35以下、笑っているちょるる、普通の生活が可能。黄色──35から85、困ったちょるる、気をつける。赤──85マイクログラム・パー・立方メートル以上、ちょるるが泣いている、野外での運動や外出を控え、窓を開けての換気なども最小限度にする。で、見分けるようになっています。
 岩国では麻里布小学校や愛宕小学校に観測機材があるようですが、以前から時々チェックするのですが、工場などもあるためか、また排気ガスによる影響のためか、岩国では他地区に比べて割と高い数値が続いています。
 今後、こうした注意喚起が出た場合、外出時、戸外でお仕事の一般市民向けに、例えば市役所の大型ハイビジョンでのお知らせやケーブルテレビなどを利用して、タイムリーな対応も必要になってくるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。既に何度か広報を通じてのお知らせもあったようですが、市としてどのように協議をしておられるのかお尋ねします。
 
 次に、
地域包括の課題について質問する予定でしたが、多くの議員が取り上げられておりますので、今回は市民の命と直結した
2.緊急医療の課題について関連して質問いたします。
 誰も急病や事故、けがなどはしたくありませんが、それでも救急車が緊急の場合、頼みの綱、大変ありがたい存在です。愛宕山には最新鋭の医療機器、CTや核磁気共鳴装置のMRI、PET-CT、内視鏡の支援ロボット「ダヴィンチ」など、さまざまな機能を持つ機械が取りそろえられ、整えられ、医療センターが愛宕山へ移転してきています。
 一方、現状では、岩国市医療センター医師会病院が救急車を受け入れていないと聞きますが本当でしょうか。また、新しくなった国病──岩国医療センターでは特別室の利用の例外も認めないため、慢性的なベッド不足とも聞いています。
 先般も最寄りの場所で救急車が到着後、受け入れる病院との連絡調整が長引き、15分たってもなかなか搬送できない状況を見受けました。どんなにか患者さんや家族が心配されたであろうと人ごとではありませんでした。このように市民の不安も高まるばかりですが、市側はどのように聞いておられるのか現状認識と対応についてお尋ねします。


 最後に、3.校歌の音源保存について
 学校の統廃合、適正配置計画が進む中、私たちの年代が子供のときには多くの児童・生徒がいた周辺部の学校も、今や各町に数校という状況になってきました。昭和60年には小・中合わせて84校もあったものが休校や廃校が続き、平成26年には49校になったと聞いています。
 思い出多き古い木造校舎も引き倒されて更地になり、と寂しい状況が続いています。木造校舎の懐かしい絵を描かれた川口健治先生の画集などもありますが、よわいを重ねるごとに卒業した母校を懐かしむ声も多い中、休校などを機に、校歌の音源のあるうちにデータ化し、校舎の絵や写真とともにネット上からいつでも曲を楽しむことができれば、国内にお過ごしの卒業生のみならず、世界各地で活躍されている方にとっても母校を懐かしむことができるのではないでしょうか。そのような環境整備についてお尋ねします。
 以上で、壇上からの質問を終わります。

 <答弁>
 福田市長
 姫野議員の御質問の第2点目の市民の医療受け入れ体制についての(1)救急入院等の課題についてお答えをいたします。
 岩国医療圏域の医療体制におきましては、身近な生活圏の中で提供する1次救急医療は、地域のかかりつけ医などの診療所において、1次救急医療機関での診療が困難な患者などに対応する2次救急医療は、岩国市医療センター医師会病院や錦中央病院、美和病院の両市立病院などの救急告示病院において、それぞれ対応をしております。
 さらに、独立行政法人国立病院機構岩国医療センターにおかれましては、2次救急医療に加えて、複数の診療科領域にわたるような重篤な救急患者に対応していただいているところでございます。
 しかしながら、緊急を要しないと思われる軽症患者の救急受診が重症患者の治療に支障を来すとともに、医師、看護師等の医療スタッフの疲弊の要因となっていることから、平成22年7月に岩国市救急医療対策協議会を設置して、救急病院相互の役割分担や救急医療の適切な受診対応の啓発などに取り組んでまいりました。
 平成21年度から平成24年度までの救急受診者数の推移でございますが、岩国医療センター救命救急センターの受診者数につきましては、平成21年度が約2万人、平成22年度が約1万7,800人、平成23年度が約1万5,400人、平成24年度が約1万5,000人と年々減少しているものの、そのうち軽症患者の割合が7割を超えているところでございます。また、医師会病院救急センターの受診者数につきましても、平成21年度が約1万1,700人、平成22年度が約9,700人、平成23年度が約9,500人、平成24年度が約9,700人となっております。
 現在、岩国医療センターや医師会病院の救急受け入れが厳しくなっている、難しくなっているようなことを耳にするという議員の御指摘でございますが、岩国医療センターや医師会病院、錦中央病院と美和病院の両市立病院などにおきましても、医療スタッフの不足が深刻な状況であり、それぞれの救急告示病院が、それぞれの役割を担っているものの、救急医療現場の医療スタッフの疲弊要因となっているようでございます。
 市といたしましては、市民の皆様が安心して医療が受けられるよう、今後とも岩国市救急医療対策協議会におきまして、岩国医療センターや医師会病院、医師会等の関係機関と情報の共有化を図るとともに、救急医療現場の現状や救急医療の適切な受診対応の啓発などに努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。

土井寛治環境部長
 第1点目の微小粒子状物質PM2.5についての(1)広報についてにお答えいたします。
 近年、問題となっております微小粒子状物質PM2.5とは、大気中に浮遊する粒子状物質の中で特に粒径の小さい2.5マイクロメートル以下の微小な粒子状の物質のことでございます。
 大気中を漂うとても小さな粒子状の物質であるため、肺の奥深くまで入りやすく、呼吸器への影響に加え、循環器系への影響も懸念されていることから、国において平成21年9月に環境基準が、平成25年2月27日には大気中の濃度が1日平均で環境基準値の2倍の1立方メートル当たり70マイクログラムを超えると予測される場合は、外出や屋内の換気を控えるよう注意喚起するための暫定的な指針が示され、各都道府県が住民に注意喚起するとの方針が示されました。
 これを受けて、山口県では、平成25年3月1日に、県内を西部、北部、中部及び岩国市を含む東部の4地域に分け、地域内の1観測局でも日平均値が1立方メートル当たり70マイクログラムを超えるおそれがある場合には、地域全体に注意喚起するとの対応方針が示されました。
 測定局は、山口県内に19カ所、岩国市を含む東部地域には5カ所、岩国市内では麻里布小学校及び愛宕小学校の2カ所に設置され、常時監視が行われており、1時間ごとの測定値が、環境省及び山口県のホームページにおいて公表されております。
 注意喚起は、方針が示されてから平成26年2月26日までに、県内では延べ18回、岩国市を含む東部では昨年9月11日、12月6日と、ことし2月26日の3回行われました。
 注意喚起の実施状況は、山口県のホームページにおいて確認できるとともに、平成25年8月27日からは県によりPM2.5に関する注意喚起情報のメール配信サービスが開始されており、速やかな情報入手が可能となっております。また、県からの依頼を受けて、テレビ局やラジオ局等報道機関による報道も行われていると聞いております。
 岩国市としましては、これら県の発信している情報の利用等を、平成25年4月1日及び6月1日付の市報や、市ホームページで呼びかけているところです。
 また、幼稚園、小・中学校等には、メール配信サービスに登録していただき、注意喚起が実施された際には、屋外での活動を控えるなど適切な対応をしていただいているところであります。さらに、活動の多い平日においては、教育委員会、こども支援課等を通じて直接情報提供も行っております。
 今後におきましても、機会を捉えて、住民への周知に取り組んでいきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

佐倉教育長
第3点目の廃校対策についての(1)校歌の音源保存などについてお答えいたします。
 議員御指摘のように、学校は卒業生や地域の方々にとってとても大切な場所です。その学校での友達や先生方との日々の学習や活動、運動会や地域を挙げての催しなど、思い出が詰まった心の宝物と言っていいところだと私も考えております。
 少子高齢化による児童・生徒の減少が進む中、子供たちの良好な教育環境の確保のためとはいえ、平成18年3月の新岩国市誕生からでも、平成25年度末までに19校の小・中学校が統廃合などによる休校・廃校を迎えることとなっております。
 教育委員会では、大切な母校の思い出のよすがとなり得るものを残すため、学校の休・廃校のときに学校記念誌を発行し配布しております。その中に校舎や校旗などの写真、子供たちや教職員の思い出の写真などを掲載するとともに、学校の沿革史や校歌なども掲載しております。これにより卒業生や地域の方々の学校への思い出や記憶、また、その学校の記録が残されていくものと思っております。
 議員御指摘の休・廃校となった学校の紹介ホームページを作成、掲載し、卒業生などがどこからでも閲覧できるのではないかにつきましては、現在、教育委員会では岩国市のホームページに各小・中学校のホームページ掲載コーナーを設置しており、全ての小・中学校のホームページが閲覧できるようにしておりますが、今後につきましては、休・廃校の学校の紹介ホームページにつきましても作成するなどして、写真や校歌などを掲載するとともに、校歌等の音声による閲覧等につきましても方法等を検討し、卒業生やその地域の出身の方々がどこからでも簡単に閲覧でき、母校やふるさとへの思いを強くしていただけるよう考えていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 

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