平成24年12月定例会 一般質問
清風クラブの姫野敦子です。
ことしも残り少なくなってまいりました。東日本大震災から1年9カ月、私たちの価値観も、生活も少しずつ変わってきたようにも感じております。
先日のトンネル崩落事故や、人を人と思わないような事件や事故の数々、日本の立ち位置、食べていける農業や働き方、少子高齢化、教育・福祉施策、頭を抱える問題の数々に、一体これまで何をやってきたのかが問われているかのように思っております。
そんな中でスタートした衆議院議員選挙、市民お一人お一人が、この選挙を大事に考えて、これからの日本を決めるためにぜひ投票に行ってくださることを願っております。
では、質問の1、環境施策拡充のための機構改革について。
環境についての所管は広く、騒音や振動、廃棄物処理、ごみ処理や水質、新エネルギーなど、最近は放射能の測定まで広く対応がなされています。
そんな中、環境担当所管行政の見直しや一元化など、各自治体でさまざまに取り組まれておられます。
旧町村におきましては、多岐にわたる業務を少人数でやむを得ずとはいえ担当しておられたという点もあったかと思いますが、逆に全体を見渡すことができ、フレキシブルに対応していた面もあるように感じております。
1 環境施策拡充のための機構改革について
地球温暖化対策や、省エネ、新エネルギー事業など、各省庁より環境重視の施策が次々と展開されるようになって、縦割りで業務をこなす内容や、重複したものも多いと思いますが、この際、縦割り行政の弊害を見直し、住民本位の組織で変えていくためにも、市の環境についてのさまざまな課で行っている環境関連事業を集約し、グローカル――グローバルとローカルの造語ですが、グローカルな視点での主導権を持った対応ができるような担当が必要ではないでしょうか。
きちんとした位置づけをもとに、バランスのとれた施策を継続的に充実して取り組むことができないかと感じ、環境ガバナンス、環境行政の構築のための機構改革についてお尋ねします。
2 高齢化対策について
少子高齢化が進む中、高齢化団地を取り上げた特集記事が、先日、地方紙に連載されていました。高度経済成長期に売り出された団地、持ち家率の高さがそのまま高齢化団地へと移行しています。
住みなれた地域で暮らしていきたいという思いがあっても、高齢化による身体機能の低下もあり、買い物や日々の暮らしを支えるための手だてが不足し、暮らしにくさにつながってしまっているようです。
地域の暮らしの生活の質――QOLを維持するための方策が必要となってきています。市周辺の高齢化対策として、事前申し込みによるデマンドバスの運行開始や、旧市周辺部で続いている福祉バスのように、平地の少ない岩国においてのこうした高齢化団地の施策が、行政としても必要ではないかと感じております。
現行の市内循環バスくるりんなども、運行コースに課題も多く、また、今日の運行による経費が圧迫する中、せめて福祉バスのように週に1回でも市の中心部への移動支援が可能になれば、またできれば新しくなる医療センターや新空港へのアクセスなども、市民の市政に対する理解も広がり、ひいては元気老人対策にもなってきます。適度によい刺激を、生活、生きる意欲としての方策としての地域のニーズを調整して、よりよい支援として、市としてどのようにお考えか、お尋ねします。
同様に、孤独死を初めさまざまな事件に巻き込まれる懸念もある昨今、独居の方もふえていることから、多くの議員が安否についての質問をしておられます。以前から友愛訪問や民生委員、福祉員、新聞屋さんや健康飲料の配付による声かけなども行っておられましたが、今後も独居の方々がふえるのは想像にかたくありません。
以前、地域福祉アンケートで、3割以上の方が、何かあっても相談できる相手がいない、安否を確認してほしい、話し相手が欲しいなどいった御要望が多いようでした。
私自身、「いわくに」からとった、いきいき、わくわく、にっこりコールのような、希望する方に、希望の日時にお電話をかけ、たわいないお話をする、何かあればすぐ担当に連携をとるなど、岩国らしい方策もできないものかと考えています。
こうした安否確認について、市はどのように対応しておられるか、また、課題などがありましたらお示しください。
3 空港開港について
民間空港の開港が目前となってきました。テストフライトや、12月9日には開港行事も行われ、空港内ではグラハン――グランドハンドリング、地上支援業務などの手順作業なども進んでいるようですが、交通アクセスについては課題がまだまだ残っているようにも感じております。
けさは、牛野谷の南バイパスの交差点で、多分空港行きの案内表示の支柱がシールをされて、はがされるときを待っているようでした。朝晩の渋滞で搭乗に間に合わなかった方がないように、利用者の立場に立った対応状況と、今後の対策及び計画の詳細についてお尋ねします。
また、13日の開港後には、空港利用者や地域の方々から御意見・御感想などを振り返って、よりよい活用とするために、かかわりや意見を大事に対応していくべきかと感じております。利用率の伸び悩みに陥らないためにも、情報交換や体系的に考える手法としての現場でのウオッチングやワークショップなどの開催を、今後、市として考えていくことをお考えでないか、お尋ねします。
以上で壇上からの質問を終わります。。
福田良彦市長 答弁
姫野議員御質問の第3点目の空港開港について、お答えをいたします。
いよいよ13日の岩国錦帯橋空港開港まで、本日でちょうど1週間となり、岩国市民の長年の夢が実現する日まで、指折り数えるカウントダウンができるようになりました。
このことは、国土交通省や防衛省、山口県そして米軍関係者を初め、これまで民間空港再開に携わってきた地元関係団体など、たくさんの方々の努力のたまものでございます。
また、市議会の皆様方におかれましても、これまで長年にわたり民間空港再開に向けて多大なる御尽力をいただきましたことに、こころから感謝申し上げますとともに、その喜びをともに分かち合いたいと思っております。
その岩国錦帯橋空港では、12月1日に全日空機737による実機テストフライトが行われました。また、11日には空港スタッフによる模擬訓練が行われる予定と伺っており、開港に向け総仕上げの段階で、あとは開港を待つばかりでございます。
それでは、議員御質問の空港への交通アクセスについてでございますが、まず、JR在来線を御利用の方には、岩国駅を経由し空港まで連絡する新しいバス路線をいわくにバス株式会社が運行されます。
運行ダイヤ等は、既に報道発表されておられますが、1日4便の航空機の発着時刻に合わせて1日4往復が運行され、岩国駅から空港までの料金は片道150円で、運行時間は約10分とのことでございます。
運行されるバスも、いわくにバス株式会社が購入された大型低床のノンステップバスで、車体には一目で空港行きのバスとわかるようなデザインのラッピングがされております。そのほか、広島バスセンター行きの高速バスも1日2本が空港に乗り入れる予定と伺っております。
また、防長交通株式会社におかれましても、徳山駅及び田布施と空港を結ぶ2路線を新たに運行し、周南及び柳井・田布施方面からの空港利用に対応する予定とのことでございます。
次に、自家用車等で空港に直接来られる方のために、開港までに高速道路、国道、県道、市道に全体で34枚の案内標識を設置することとなっております。
まず、高速道路では、広島方面からの利用者に対し、廿日市ジャンクション、大野インターチェンジに方面案内を行い、出口案内を大竹インターチェンジで行います。山口方面からは徳山東インターチェンジと熊毛インターチェンジに方面案内を行い、出口案内を岩国インターチェンジで行います。
さらに、高速道路のインターチェンジや主要国道等を利用し、広島方面、周南方面、玖珂方面、柳井方面からそれぞれ空港まで来られる方に対し、国道では、国道2号、国道188号、国道189号、県道では、欽明路道路、昭和町から空港内道路に直結する岩国錦帯橋空港線、市道では、岩国警察署前、もみじ銀行岩国支店前、三笠橋の東側、セブンイレブン岩国旭町店前の交差点等にそれぞれ設置をし、空港まで御案内をいたします。
なお、自家用車を御利用の方のために、空港内に607台の駐車場を設けており、駐車料金につきましては、航空機搭乗者は無料、その他の利用者は最初の1時間が無料、以後は1時間につき100円かかりますが、1日最大で470円となっております。
また、岩国錦帯橋空港は、住宅地に最も近い空港として、その利便性を生かすために、空港ターミナルビルの横に50台収容の無料駐輪場も設置をしております。
このように、空港の開港に合わせて、行政と民間運行事業者が連携し、空港への交通アクセス整備に努め、利便性の向上を図っておりますが、開港後も安定した利用を維持するためには、周辺地域からのアクセス道の整備が不可欠でございます。そのためにも、国道188号岩国南バイパス南伸の早期事業化や、岩国大竹道路の建設促進、県道岩国錦帯橋空港線の早期整備など、国や関係省庁や山口県、県選出国会議員等への要望を引き続き積極的に行うとともに、現在、市の都市計画道路であります楠中津線、昭和町藤生線につきましても、防衛省の補助を活用し整備を進めており、今後も空港への交通アクセス整備を進め、空港の利用促進に努めてまいります。
次に、市民によるワークショップの開催についてでございますが、岩国錦帯橋空港の利用促進につきましては、利用促進協議会を中心に空港PRを首都圏、広島県西部地域、山口県東部地域を含む市内外で積極的に行っております。
開港が近づくにつれ、航空便の予約方法や運賃など、さまざまな問い合わせが寄せられてきており、市民の空港開港に対する期待も一段と高まってきているものと感じております。
また、空港ターミナルビル内には、搭乗手続カウンターのほか、地域の特産品などの販売も行う売店や、2階には駐機する航空機等を見ることができる展望デッキも設置されておりますので、搭乗者だけでなく一般の方も楽しめる建物となっております。
開港後の15日及び23日には、ターミナルビル1階の光庭――中庭です――におきまして、岩国商工会議所青年部による、クリスマスツリーの設置やミニコンサートといったクリスマスイベントの開催が予定されるなど、地域のイベント会場としての活用も検討されております。
こうした空港利用促進のためのPR事業やイベントは、開港時だけでなく、開港後においても継続して行っていく予定でございます。
議員御提案の市民によるワークショップにつきましては、市民に限定することなく、航空機やターミナルビルを利用して岩国を訪れるビジネス客や観光客の皆様の御意見など幅広くお聞きし、市を初めとする関係機関において、今後の空港活用、アクセス整備や利用促進に反映してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
藤井章裕総務部長答弁
第1点目の環境施策拡充のための機構改革についての(1)担当部局の整理・統合についてにお答えします。
岩国市では、組織のスリム化、質の高い行政サービスの推進のために、平成22年度に機構改革を実施しておりますが、その中で、環境行政の組織としまして、環境部の中に、生活排水や水環境の保全事業を実施する組織として、下水道課及び下水道施設課を編入し、それまで国・県の組織に沿った縦割り行政で所管していた公共下水道事業、農業集落排水整備事業と合併浄化槽設置整備事業等の事務事業を下水道課に窓口を一元化し、市民にわかりやすい行政組織への変更を行っております。
また、環境行政につきましては、従来からのごみの問題や大気・水質・騒音・振動・悪臭といった公害問題から、近年の地球温暖化や生物の多様性の問題等、地球規模の環境問題へとますます多様化・複雑化しております。
特に、地球温暖化などの環境問題は、我々の日々の生活と深くかかわっており、この問題を解決するための施策は、省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの拡大等のエネルギー政策や、森林や農地の整備・保全、バイオマス資源の活用・推進等の農林政策、また、公共交通機関の利用促進等の交通政策などにもつながっており、これらの多種多様の事業を一つの部署に集約・統合するといった構想は、現時点ではございません。
しかしながら、こういった環境問題の改善または解決のためには、行政を初め市民や企業等の主体的な取り組みにつながる施策の推進が重要かと考えております。
議員御提言の趣旨も理解しているところであり環境関係の部署がイニシアチブをとり、既存の組織での横の連携の強化を図るとともに、一つの課で処理することが困難な課題に対しましては、庁内のプロジェクトチームの設置なども検討してまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、社会・経済情勢は刻々と変化しており、複雑多様化する行政需要や市民ニーズに対し、迅速かつ適切に対応することができる効率的な体制が望ましいと考えており、機構改革につきましては、今後、諸情勢を見ながら対応していく必要があろうかと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
中岡正美総合政策部長答弁
第2点目の高齢化対策についての(1)高齢化団地の課題と対応についてのア、現状認識と対応についてお答えします。
現在、本市におきましては、公共交通であるバスの運行につきましては、中山間地域においては生活交通バス、旧市内においては交通局及びいわくにバス株式会社の路線により対応しています。
また、こうしたバス路線からおおむね2キロ以上離れた地区におきましては、高齢者等福祉タクシー料金助成制度により、70歳以上の高齢者及び70歳未満の要介護認定3から5までの方を対象に、1枚500円のタクシー利用券を年間24枚交付しております。
しかしながら、バス路線がなく、高齢者等福祉タクシー料金助成制度も対象とならない旧市内の高台団地等につきましては、そのほとんどが市内タクシー事業者の営業エリア内であること、また、団地内の道路が狭くバスが入れないなどの理由から、市としての対応を行っていないのが現状でございます。
このような状況の中、高齢化が進む高台団地の住民の皆様方からは、通院や買い物のための移動手段の確保に向けたバスの運行等についての御要望をいただくとともに、みずからもできることがあれば検討していきたいとの御意見も伺っております。
本市におきましては、同様の課題を抱えておられる高台団地等は、これからますますふえてくるものと思われます。このため、今後におきましては、他市町村の事例等を参考にしながら、各地域の状況に適した対策を講じていかなければならないと考えております。
現在、市では、本年8月に立ち上げた岩国市交通システム調査プロジェクトチームにより、市全体の交通に関する課題等を整理し、その方向性を定めるための作業を進めているところであり、議員御指摘の高齢化団地等への対応につきましても、本プロジェクトチームの中で検討していくこととしておりますので、よろしくお願いいたします。
廣田茂基健康福祉部長答弁
第2点目の高齢化対策についての中の(2)安否確認についてにお答えをします。
高齢者を取り巻く状況は、少子・高齢化の急速な進行、核家族化に伴う家族形態の変化、高齢者の価値観や生活意識の多様化・複雑化など、大きく変化してきております。
平成24年11月1日現在の65歳以上の高齢者人口は、4万2,830人、高齢化率は29.9%であり、今後、団塊の世代が高齢期を迎え、さらに高齢化が進行することが予想されます。
また、本年度の高齢者保健福祉実態調査によります本市の65歳以上ひとり暮らし高齢者数は6,086人、75歳以上二人暮らし高齢者数は2,077人となっており、今後、ひとり暮らし高齢者や高齢者のみの世帯がさらに増加することが見込まれているところです。
そうした中で、本市では、ひとり暮らし高齢者等の方を対象に、急病等の緊急時に通報を迅速に行うことができる緊急通報システムの整備、救急活動の際に関係機関との情報の共有を図るためのあんしん情報カプセルの配付、社会福祉協議会への委託により、福祉員が訪問・見守り活動を行う長寿いきいき見守り事業等を実施しているところであります。
また、社会福祉協議会におきましては、支援が必要な高齢者世帯の地域見守りネットワークデータを充実させることにより、地域の見守り・支え合い体制整備の強化を図っております。
しかし、高齢化の進行に伴い、ひとり暮らし高齢者や高齢者のみの世帯がさらに増加することが見込まれますので、これまで以上に地域の連携や見守り体制の強化をするとともに、すべての高齢者が安全に暮らすための情報提供や災害時の支援体制の充実を図ることなどが重要であります。
本年3月に策定しました岩国市高齢者保健福祉計画では、地域で生活している高齢者やその家族が困っているときに地域ぐるみで支えていくことで、すべての高齢者が安心して住みなれた地域で暮らせるように、市民と民間の協力機関及び行政等の公共機関が協働し、主体的に活動して、高齢者の見守り体制の整備・充実が図れるよう岩国市の高齢者の見守り等支援体系の構築に取り組むこととしておりますので、よろしくお願いをします。
<<再質問>>
環境施策充実のための機構改革については、現時点では下水に係るところを既に変えた後なので、すぐには変える予定はないというような御説明でしたが、国から環境をめぐるさまざまな調査表が届いてきているかと思います。
そういった調査に答える場合も、何と答えるかということが、担当課によって少しずつ違ってしまう、そういった問題も起こっているのではないかと感じておりますが、そのあたりはいかがでしょうか。
藤井章裕総務部長 基本的にいろんなアンケートを含めた形の調査表というのが、各部、各課、それぞれいろんなものが参っているのは事実でございます。
そういう文書が集まるところは一元化されておりますので、その辺の振り分けで適切に対応をしているところです。
「市として、回答が全く食い違ってるとは思いませんが、やはり担当課によってはこのことは進めたいという意向があっても、ほかの課からすればまだ時期尚早などとして、反映が難しいものもあるのではないかと思います。
今後については、先ほども、少しは前向きな御返答もあったかと思いますが、時代はどんどんと速いテンポで移り変わっておりますので、環境について、また環境だけでなく、岩国市においてさまざまな観点から、市民に対してもきちんと説明でき、結果についても皆さんとともに理解ができ、施策を進められるような機構をぜひとっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。」
藤井章裕総務部長 議員がおっしゃいますように、いろんな課題が時代の進展とともに降りかかってきて、対応していくようなことになっていく、まさに生き物そのものだと思っております。
そうした状況に対して迅速に対応するというのは、基本的に組織があるわけでございますが、個々の目まぐるしく変わる状況に対して、それぞれ部署を変えていったのでは、それこそ中の部署そのものの連携がますます複雑になって、処理するのに問題が発生するのではないかということも危惧しておるところでございます。
したがいまして、環境面についてはどのような形で対応させていただいたかというのは、御紹介したとおりでございますが、ほかの部署におきましても、事務の効率化というのはある程度考えた上で、その事務を一つの課に集約するというような対応はとってきておるところでございます。
また、大きな課題につきましては、答弁でもございましたけれど、プロジェクトチーム等を設置して、細かな協議ができるような体制で、乗り切ってまいりたいと考えております。
「仕事がふえる、内容も複雑化する中で、仕事の効率化というのを言われると、大変厳しい面もあるかと思いますが、ぜひ総体的に、よい取り組みをしている地方自治体も参考にしながら、岩国らしい、市民にとって理解しやすい、そしていい施策が進んでいくように願っておりますので、努力していただくように願っております。
次に、高齢化施策について、岩国市交通システム調査プロジェクトチームというのがあるということですが、このプロジェクトチームの中での審議の内容――どのようなスパンで開催しているか、この内容の公表についてどのようになっているか、お示しください。」
中岡正美総合政策部長 まず、プロジェクトの内容でございますが、岩国市の公共交通は12月13日の錦帯橋空港開港によりまして、空港、港湾、新幹線、都市間鉄道、都市内鉄道、バス等といった多様な交通機関が存在することとなりますので、これらの公共交通ネットワークを活用整備するための課題を整理し、市全体の方向性を定める。それから、その専門部署の設置について検討を行うこととしております。
対象としている公共交通機関は、バス路線、錦川清流線、岩国柱島航路、JR、航空路としており、あわせて利用促進のための取り組みについても検討することとしております。
プロジェクトの開催スパンでございますが、具体的な調査に当たりましては、プロジェクトチームの中にバス路線、錦川清流線、岩国柱島航路等、個別にワーキンググループを構成し、中山間地域対策、福祉対策、地域医療対策等を視野に入れた担当者レベルにより作業を進め、最終的にプロジェクト会議により、それぞれの課題、方向性を決定することとしております。
これまで、各ワーキンググループでは、それぞれ会議を数回開催しており、中間報告を行うためのプロジェクト会議を12月下旬に開催する予定としております。
今後におきましても、各ワーキンググループ会議を必要に応じて開催する予定としており、最終的には1月下旬から2月上旬にプロジェクト会議を開催し、それぞれの課題、方向性を決定する予定としております。
なお、プロジェクトチームに定めた課題、方向性につきましては、地域住民の代表者等を委員としている法定協議会により最終確認し、具体的な運行計画等につきましては、平成25年度においてアンケート調査等を行いながら策定する予定としております。
あと、内容の公表でございますが、これにつきましては、市のホームページで公表する予定としておりますので、よろしくお願いいたします。
「これまで、岩国市交通システム調査プロジェクトチームの中では、高台の高齢化の団地の施策について、恐らく視点がまだまだ低かったのではないかと思われますが、このように高齢化が進む中で、大変身近で直近に解決すべき課題とも思います。
福祉か、中山間か、どういったところの担当のワーキンググループで対応されるのかはわかりませんが、そういった点について、市のホームページへの中間報告等の公表もありますと、市民の市政への意識も高まっていくと思いますので、ぜひ主体的に行っていただきますように願っております。
それから、支援を必要とする高齢者について、身近な地域で生活を続けていくためには、高齢者自身でできること、地域の住民ができること、地域全体でできること、行政がすべきことの四つの視点によって分けて、今から整備を進めていくというふうに承っておりますが、例えば高齢者の安否確認について、先ほども少し提言しました電話をかけ合うボランティア――社会福祉協議会などで相談員の派遣とか、地域包括支援センターのほうで対応もされているかと思います。地域を知っている人で、本人が特定されるのは嫌だと思う御高齢の方もあります。そんな中で、火曜日の3時には、市民の方から優しい声で電話がもらえるといったことを楽しみにされるような方策もあるのではないか。また、夏休みなどに、ラジオ体操へのいざないとして、子供会との連携により、おじいちゃん、おばあちゃんも一緒に行きませんかなどとしたかわいいメッセージが届くことで、出てみようかというような意識づけをする。希薄と言われる人間関係も大事にしてもらいたいと思いますが、そのあたりは、市長はどのようにお考えでしょうか。」
廣田茂基健康福祉部長 今議員が言われました話でございますが、昨年度に高齢者保健福祉計画のアンケート調査を行っております。その中で、先ほど言われましたような高齢者の方が期待するもの、望むことということで、近くに困り事を相談できる人がいない、話し相手がいない、安否の声かけ、こういった御要望もたくさんありました。
先ほどもお話しになりましたような声かけなどの高齢者の見守りにつきましては、1対1での見守りというのではなくて、地域でのあいさつを交わす、ごみ出しをしている姿を見かける、新聞が毎日取り込まれているか、そういったことを近所で確認する。その地域の方、協力事業者、商店の方、その地域全体で、そういった安否確認の体制をつくっていきたいというふうに考えております。
「質疑の中で、以前からたくさんの議員の方が質問をされてこられましたように、あんしん情報カプセルというのを冷蔵庫の中に入れておいて、独居の方に何か起こったときに、救急の方が来られて冷蔵庫をあけて、カプセルにより、今までに服用されていた常備の薬とか病歴とかを書いたものを保管しておくというのを広める施策を提言しておられて、配付されておられると思いますが、これまでにどのくらいの数を配付し、また、今年度追加配付しておられますでしょうか。」
廣田茂基健康福祉部長 今のあんしん情報カプセル交付事業でございますが、平成23年度に主に実施をいたしまして、平成23年度中に5,445個を配付しております。
また、本年度につきましては、ひとり暮らしの方、二人世帯の方、それらに準じます方ということで、希望者の方に配付をしております。先ほど調査をいたしまして、本日までに343個のカプセルを配付しております。
「私は、これまで訪問に行って、まだ見たことがないんですが、これまでに5,788個配付されたという答弁でしたが、冷蔵庫にあんしん情報カプセルが入ってますという標示が明確になるシール等も添えてあるのでしょうか。そのあたりをお示しください。」
廣田茂基健康福祉部長 この辺につきましては、9月議会でも一般質問がございまして、成果につきまして、説明をさせていただいております。
中には、やはり、今言われたような保管を完全に行っておられない方がいるようですが、消防のほうにも確認をしておりますが、救急の際に何件かそれを利用して搬送につながったということも聞いております。
「場所もとるでしょうし、保管したことさえも忘れてしまう方々もおられるかとも思います。せっかくのいい施策ですので、だれにもわかりやすく、そして見つけてもらって、早く手当てができるという、独居の方たちの不安を解決できる施策の充実を望みます。
また、安否を確認できる取り組みを、市民の方たちはどのようにしたらいいだろうか。それから、先ほど申し上げた電話のボランティア、私ならやれるという方もおられるでしょうから、そういったことについてももっと市民に投げかけて、お互い希薄と言われる人間関係が、岩国ではいい感じでできるようになったと言われるように取り組んでいただきたいものだと考えております。
最後に、新空港へのアクセスについてお尋ねします。
自家用車により空港へ大変近くまで行けるということと、駅からシャトルバスでたった10分で到着するということは、大変便利だと考えますが、これまでも渋滞が起こりやすいところで、今回の施策がスムーズに空港へたどり着く方策とは言えない部分もあるかと思います。
交通流量はふえることも考えられるため、今後においてはパークアンドライドといったことも、必要になってくるのではないかと考えますが、今後に課題を残す渋滞緩和、アクセスの整備について、さらなる努力を望みたいと考えますが、いかがでしょうか。」
中岡正美総合政策部長 渋滞緩和の対策ということでございますが、まず、地域住民の渋滞緩和でございますが、岩国錦帯橋空港の開港により、空港内道路に直結する県道岩国錦帯橋空港線の交通量がふえることは予想されますが、錦帯橋空港は1日4往復8便で、使用される航空機も約170席の中型機でございますので、大きな渋滞が生じるとは現在予想しておりません。
ただ、夕方の4時から5時の時間帯では、現在でも基地内の工事関連の車両や一般車両等で、一時的に渋滞しておりますので、今後におきましては、空港アクセス道路である県道岩国錦帯橋空港線のうち、旧旭町19号線――セブンイレブンから入り口のところまででございますが、その早期整備について、県のほうに要望してまいりたいと考えております。
あと、渋滞による搭乗のおくれという心配もございますが、錦帯橋空港の出発時刻からしまして、渋滞による搭乗のおくれは余り考えられませんが、予測がつかない原因で出発時間に間に合わない可能性もございますので、利用者の皆さんで早目に準備をしていただきたいと思っております。
それから、パークアンドライドでございますが、岩国錦帯橋空港は、ターミナルビルのすぐ前にある駐車場に無料で駐車できるということが売りの一つでございますので、現時点ではパークアンドライド等については考えておりません。
「大きな駐車場を持つ空港ではありますが、空港の直近の道路ではなく、そこまでのアクセス道で、1割だとか数台ふえるだけで渋滞が起きやすく、数台減るだけでスムーズに通るというのが現況です。南バイパスが通行できるようになりましたので、188号においてはかなり緩和してきたとは思いますが、タイミングによってはそういったことも心配されますので、駅周辺において、例えば車を置いてバスを利用するとか、早目に搭乗されること、手続をされることということについても、今後も関係団体におかれて周知も必要ではないかと考えます。
ところで、最後にワークショップ絡みでのお尋ねなんですが、ここが軍用空港を活用した空港であるために、空港内で写真撮影などに配慮が必要、規制があるなどと聞いたようにも思いますが、その点、いかがでしょうか。展望台から自由に撮影してよいとか、特に規制とかはないのでしょうか。」
中岡正美総合政策部長 空港を管理されておられます大阪航空局の岩国空港事務所に確認しましたところ、空港のデッキ等で、基地内の写真やビデオ撮影は遠慮していただくようお知らせする旨の標示を空港内に行う予定だそうです。
なお、航空機や駐機場の記念撮影は禁止されてはいないということでございました。
「広い空港を写したいと思っているけれども、例えばステルス戦闘機等が来てタイミング的に今写してはだめだとか、いろんなことが起こってしまうことも考えられるのが軍用空港の民間活用と感じております。これから先、テロへのセキュリティーの高まりにより、飛行機が飛ぶことができませんなどいった状況が起こらないことを祈りつつ、また最初数年は利用率が高くても、今後、利用率が下がるようなことがないように、皆様と安心して利用のできる、アクセスも簡便で利便性の高い空港として喜ばれるような施策の充実に鋭意努力をお願いいたしまして、質問を終わります。」
前回の質問